人間には種類が二つ三つある。
体が大きくて猟犬のような太い声で吠え、どうかするとひげが生えている。
そういう種類をお父さんと言うんだ。そういう人は大切にするんだよ。
人間の群れの中でも、おもだった人で、少し怖いところがあるからね。
でも、おとなしくしていれば、耳をくすぐってくれるよ。
それよりは少し小さくて、吠える声が細く、口に毛がなくてすべすべしている人間もある。
それはお母さんと言うんだ。そんな人も大切にしなさいよ。
食べ物をくれたり、時々、毛の手入れをしてくれたり、撫でたり可愛がったり、いろいろ気をつけてくれるからね。
それに、その前足といったら本当に優しいんだよ。
まだ、そのほかにおまえ達と同じくらいの大きさで、おまえ達みたいにギャアギャア泣いたり、キイキイ叫んだりするちっぽけな人間がいる。
これは子供だ。子供も大切にするんだよ。お前たちの遊び相手には大変役に立つものだから。
お前たちの尾を引っ張ったり、一緒に原っぱを駈けまわったり、それはそれは面白い友達だよ。
カレル・チャペック著「ダーシェンカ」
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平岩米吉著「犬を飼う知恵」(池田書店)という本の中にあった一節です。
この本を最初に読んだのは涼々がまだ子犬の頃でしたが、「お母さんの前足といったら、本当に優しいんだよ」のくだりに感銘を受けまして(//_//)、「自分の前足もそうでありたい」と思ったことを覚えています。
他の本で読みましたが、イヌにイケナイということを教えるためにちょっとした罰を与えるときは、人間がやったと思われないように、痛いのがどこからやってきたのかわからないように、(例えば)げんこつしてもすぐに手を引っ込めて素知らぬふりをすると良い、なんてことが書かれていましたっけ(^m^)
私は「優しい前足」の心の誓い(?)があるので、1回だけこの手を使わせてもらいました(~~;)
涼々は私を見るとき、顔ではなくまず左手を見ます。
それはいつも左手でオヤツをあげているから・・・(-_-)
「優しい左前足」と言うよりも、「おいしい左前足」ですにゃ。。。
「子犬よ!人間には種類がある」
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